2015年7月5日渋谷ヒカリエ「写真と詩のワンダーランド」!!

 

 

去年の暮れにあった怒濤の沖縄スライドショーツアー、
そして今年の5月の京都妙満寺という荘厳なお寺でのスライドショーに
ひきつづき、7月5日は渋谷ヒカリエでスライドショーを行います。
今回のイベントのタイトルは「写真と詩のワンダーランド」!!
(このタイトルが非常によいと思いました〜)
ブックフェアとトークイベントですが、なんとバーもあります。
朝11時からイベントが目白押し。
たくさんの写真集に触れてください!
そしてイベントで疲れたらBar赤姫という妖艶な名のバーで
ゆっくりくつろぎ写真の話をしてください。
そして、ブックフェアだというのに、人生お悩み相談室
もあります。16時から。
相談員は、今をときめく写真家インベカオリさんと赤々舎の
棚ちゃん。なんか楽しそう!
 
明日私はそのバーにいたり、その辺りをふらふら歩いていたり
すると思います。
どうぞ気軽に遊びにきてください。

 

私のスライドショーとトークショーは17時から。
トークショーでは赤々舎の姫野さんに
心のうちをぶちまけます。
前回の京都では、涙目になりました。
17時といいますと、ちょうどほろ酔い気分のはずです。
うまくしゃべれるようにと祈ります。

 

スライドショーは、ニューヨークの作品『Life Studies』です。
最近はいろんなスライドショー作りに没頭しているのですが、
この度、このスライドショーを作るにあたり夢中になりすぎて
1週間ほど髪を洗うのを忘れてしまいました。
エンジンがかかるまですごく時間がかかるのですが、
そのかわりいったんノってくるとほかのことができなくなる
ほどの熱中屋です。
人が見たらあとずさりするような殺気と匂い?を持ちますが、
でも集中しているときの自分は、なかなかよい。
我ながら惚れ惚れしてしまいます。

自分の息も詰まるほどでしたが、観る人の息が詰まるような
スライドショーにしたいと思いながら作りました。
ぜひ観に来てください!
話題のヒカリエは涼しくて、いい香りがして、
パワースポットのような気がする!!(なんとなく)
星に願いを〜!


 

【イベント】Hikarie Sunday Market vol.2〜写真と詩のワンダーランド〜-2015年7月5日(日)@渋谷ヒカリエ8/COURT-

suica3.png
またまたやりますよーーーーーーーー!!!!

今年2月に渋谷ヒカリエで開催した「Hikarie Sunday Market」のVol.2を開催することが決まりましたーーーー!

参加出版社も増え!今回は香港の出版社The Salt Yardも参加!写真家さんのイベントも盛りだくさん!おなじみの…「Bar 赤姫」ではポートフォリオレビューも開催。写真も詩もぜひお持ちくださいね。お宝オークションも開催する1日限りのイベントです。写真集と詩集とお酒をご用意して、皆様のご来場を心よりお待ちしております。
前回の会場の様子はコチラから、前回の詳細はコチラからご覧頂けます。

概要

日時:7月5日(日) 11 : 00 〜 20 : 00
場所:渋谷ヒカリエ8階 8/COURT ・入場料無料!

参加写真家

初沢亜利|水野真|エリザベス宮地青山裕企(8月にリブロアルテより刊行予定)

(順不同・敬称略)

参加出版社

赤々舎MATCH and Company Co., Ltd.港の人 全日本写真連盟  

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【赤々舎】2006年に姫野希美が後先を顧みずに立ち上げてから10年目に入りました。写真やアートがもつ、生々しい根源的な力を広く伝えていくことを志して、スタイルやジャンルにとらわれない、清新な写真集やアートブックをこれまでに130冊以上を刊行。スライドショーや展示、イベントなど、国内外で精力的に行い、ライヴを通して、作家や作品と読者との交感を育んでいます。
match_logo.png
【MATCH and Company Co., Ltd.】常に表現者たちと徹底的に向き合い、独自の姿勢でものづくりに取り組んでいるアートディレクターの町口覚が主宰するデザイン事務所。2005年、自社で写真集を出版・流通させることに挑戦するため、写真集レーベル「M」を立ち上げると同時に、写真集販売会社「bookshop M」を設立。2008年より世界最大級の写真の祭典「PARIS PHOTO」にも出展しつづけ、世界を視野に “日本の写真集の可能性” を追求している。
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【港の人】鎌倉の出版社。詩集や歌集、句集、小説、エッセイ等の一般書と、日本語学、児童文化などの学術書を出している。おかげさまで18年目。東日本大震災以降、本に帯をつけることを止めました。
AJAPS_logo.png
【全日本写真連盟(ぜんにほんしゃしんれんめい)】写真愛好家の全国的組織。朝日新聞社の後援の下に、1926年に創設された。略称「全日写連」又は「AJAPS」。事務局は朝日新聞東京本社内。会員は全国で約1万4千人「国際写真サロン」「全日本写真展」「日本の自然」の各写真コンテストを主催する。発足当初の機関誌は、「アサヒカメラ」だったが、現在の連盟機関誌は「フォトアサヒ」となっている。
LibroArte_logo.png
【リブロアルテ】2008年に出版社としてスタートしました。
若手写真家の書籍、写真集を主に出版しています。
近年は、海外のブックフェアにも積極的に参加しています。
roshinbooks_logo.png
roshin books】2013年に写真集コレクターの斉藤篤が運営を開始したマイクロパブリッシャー。
第一作目の「張り込み日記」が大きな話題を呼んだ。現在は、深瀬昌久の未発表の猫写真集を製作中。
TheSaltYard_logo.png
【The Salt Yard】2013年1月に設立された香港の写真専門インディペンデント・アート・スペース。内外で高く評価をうける作品の写真展を数多く開催したのち、2015年・春に展示スペースを閉じたが、以降はオンライン書店の活動を強化。主要書店ではまだ入手することが困難な写真集を中心に、中国全土からアジアへと販売を展開し、現代の写真を深く理解してもらうために写真集を広めていこうとしている。
主宰のDustin Shumは写真家でもあり、香港で写真集の出版や展示を行うなど、作家としても活動している。tosei_logo.jpg【冬青社】1984年設立。写真集の専門出版社として現在に至る。2005年より写真専門のコマーシャルギャラリーを設立。特に1960年代~2000年の作家を中心に作品集制作。ギャラリーでは展示も行っている。又、近年ではオランダ・ブレダフォ、ビエンナーレでの作家デビューに力を注いでいる。
本イベントでは下記の写真家が店頭でお待ちしております。(順不同・敬称略)
伊藤昌世| 増田祐子| 武田充弘| 濱崎崇| 濱田トモミ| 亀山仁| 田中亜紀

イベント/タイムスケジュール

 
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「Bar 赤姫」

僭越ですが、赤々舎代表の姫野希美写真家野村恵子藤岡亜弥映像作家のエリザベス宮地が、ささやかなバーをオープンいたします。いろんな話ができれば嬉しいですし、やや酔眼でも恐れずに、写真を見せてくださってもかまいません。お待ちしています。姫野は、ぜひ短歌や俳句に出会いたいとも切望しています。お酒・ジュースも販売。

終日.jpgむ.png

「bookshop む」
写真家の高橋宗正が1日限定でちいさな書店をオープンいたします!『スカイフィッシュ』『津波、写真、それから』に加え、700部限定で制作した、新刊『石をつむ』も販売いたします。トークイベントよりも近く身近な距離で、写真の、写真集のお話をして頂けますので、ご来店くださいませ。Barでお酒をいっしょに呑むのもよし!心より、お待ちしております。
 
1100.jpgハンマー1.pngヒカリエ お宝オークション
レアな希少本や、傷み本のオークションを開催!!!!!!!!
大特価なのか、高額になるのか。。お目当ての1冊に出会えるかもしれませんよ!ぜひ、皆様でご参加くださいませ。ハンマープライス!!!

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oomichitana_1.png「どうしたら届くの?写真集 vol.2」 トークイベント大道剛(bookshop M)× 棚橋万貴(赤々舎)  ゲスト:高橋宗正
写真集を出版する版元の営業として最前線に立つふたりが、写真集市場の現状を踏まえ、いかに届けられるかを模索します。みなさんの声もとても大事と思います。車座で、言いたい放題、写真集への思いをお話ししましょう!

1300.jpgmizuno1.png水野真 スライド & トーク

1983年生まれ。福島県福島市在住。25歳より独学で写真をはじめ、地元福島と東京を行き来しながら、渋谷の老舗洋服屋との出会いがきっかけで写真にはまる。
地元を中心に撮影した「よそからきた」で2013年写真新世紀優秀賞を受賞。

現在も福島を中心に日本各地で写真を撮っている。

1400.jpgkeikonomura_1.png野村恵子 スライド&トーク × 百々新

「旅と写真」

兵庫県神戸市生まれ。大阪ビジュアルアーツ専門学校卒業後渡米。LA, Santa Feにて写真を学ぶ。1999年に沖縄をテーマにした写真集「DEEP SOUTH」(リトルモア)刊行。同年1999年日本写真協会新人賞、2000年東川賞新人作家賞を受賞。 2012年「Soul Blue 此岸の日々」(発売赤々舎/発行Silverbooks)現在、東京都在住。

1500.jpgerizabes_1.pngエリザベス宮地 スライドショー & トーク

「イメージチェンジ2015」
1985年高知県生まれ。映像作家。2008年、マスターベーションの世界大会”マスターベータソン”にて7時間で28回の射精をし優勝。その後、大幅なイメージチェンジに成功しポップなPVを撮る映像作家に。イメチェン前に撮影した「大人のままごと。」で写真新世紀2012佳作入選。30歳を目前に、新たなイメチェンを目論んでいる。
1600.jpgkaworiinbe_1.pngインベカヲリ★ トーク × 棚橋万貴(赤々舎)
「インべカヲリ★とタナのヒカリへ☆ふわふわお悩み相談室」
写真のことから人生、彼氏彼女の事情まで~。お悩み大募集ー!公開で貴方のお悩みお聞きします。ご相談内容をinfo@akaaaka.comまでお送り下さい。当日参加もOK!学生さんから写真の相談を受けてるうちに彼氏・彼女の話になり、実はそれが原因でそれが…みたいな笑。フリートークでお話しましょう〜!お待ちしてます。

1700.jpgayafujioka_1.png藤岡亜弥スライド&トーク × 姫野希美(赤々舎)

「Life Studies」
広島生まれ。日本大学芸術学部卒業。2008 年文化庁海外留学派遣でニューヨークに1年滞在。2010 年『私は眠らない』で日本写真協会新人賞を受賞。4年間のニューヨークでの制作活動を経て、現在 広島在住。
『さよならを教えて』(2004 ビジュアルアーツ)『私は眠らない』(2009 赤々舎)

1800.jpghatsuzawa_1.png初沢亜利トーク × 勝又ひろし(全日本写真連盟)

「沖縄のことを教えてください」

1973年フランス・パリ生まれ。写真家。上智大学文学部社会学科卒業。イイノ広尾スタジオを経て写真家としての活動を開始。第29回東川賞新人作家賞受賞。『Baghdad2003』(碧天舎)『True Feelings -爪痕の真情-』(三栄書房)、北朝鮮写真集『隣人。38 度線の北』(徳間書店)『沖縄のことを教えてください』(赤々舎)を2015年7月に刊行予定。

1900.jpgaoyama_1.png青山裕企 スライド & トーク

1978年、愛知県名古屋市出身。筑波大学第二学群人間学類(心理学専攻)を卒業後、フリーの写真家に。 『ソラリーマン』や『スクールガール・コンプレックス』のほか、『思春期』『スク水 -sukumizu-』 『女装少年』『パイスラッシュ -現代フェティシズム分析-』などフェティッシュな視点で日本特有の文化をとらえた作品もある。 2007年には『キヤノン写真新世紀』で優秀賞(南條史生選)を受賞。2015年8月に新刊をリブロアルテより刊行予定。
2015-07-05 | Posted in BLOGNo Comments » 

 

プレイスM 「Life Studies 2」写真展開催のお知らせ

 

今年は個展とグループ展を合わせて3回も写真展をやることに

なったのですが、写真展はどんな場合でもいつも緊張します。

なのに展覧会の時期は、眠れないというより、なぜかよく寝てし

まいます。それでよくずぶといとか誤解をされるのですが、

緊張しているからこそ寝てしまうということがある気もするのです。

そのうえ

写真展のお知らせがいつもこうぎりぎりになってしまうのは、

展示設営が終わらないと「よし、これならいける!」と自信を

持ってからでないと宣伝できないと思っているからだと思います。

まじめすぎるということもある気もするのです。

いいわけは、これくらいにいたしまして、、、

 

なんと!本日(11月10日)から!

新宿のプレイスMで写真展「Life Studies 2」が始まります!

今回はモノクロの新作を中心にした展示になります。

プレイスMという空間で、この作品と私自身がより自由になり

作品が泳いでいくような不思議な手触りを感じることが

できました。

ぜひご高覧ください!

 

 

藤岡亜弥写真展「Life Studies」

11月10日(月)〜16日(日)/PlaceM

 

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藤岡亜弥写真展
Life Studies

このたび展示するモノクロの「Life Studies」は、この春ニコンサロンで発表した「Life Studies」と
対をなすものです。4年間のニューヨークでの生活。そのゆらぎの中で、私はこの街に深くのみ込ま
れたいと思ったのです。

日時

2014年11月10日(月)〜16日(日)
12:00 – 19:00(展覧会最終日は18:00まで、イベント開催日は17:00まで)
年中無休・入場無料

イベント

藤岡亜弥×土田ヒロミ×瀬戸正人 トークイベント
2014年11月15日(土)開場17:30/開演18:00
参加費:1,000円
定員:60名
下記へのメールにてご予約ください。※(a)を@に変えてください。
talkshow(a)placem.com
トークイベント終了後、レセプションパーティー開催(19:30〜)
どなたでもご参加いただけます。
http://www.placem.com/schedule/2014/20141110/141110.html

場所

PlaceM

〒160-0022 東京都新宿区新宿1-2-11 近代ビル3F


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2014-11-10 | Posted in BLOGNo Comments » 

 

私のカメラ

 

今日はカメラの話をしてみようと思う。

このカメラは、私が13年前ヨーロッパを一年半放浪していたときに、

ハンガリーの小さな蚤の市で出会ったカメラである。

 

 

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砂ぼこりのする道ばたにあったその蚤の市は、ロシアや東ヨーロッパ

のかおりがいっぱいで、閉鎖的でやる気のない感じであふれ、

共産主義の歴史をのぞいているようだった。

並んでいる物を見ても、さびれていて迷彩色のようなもの

が多かったような気がする。

 

蚤の市のおじさんたちも、商売人というにはほど遠く、売っても売ら

なくてもいいという顔をしてだるそうに座っていたが、

一人のおじさんの目が私のカメラに釘付けになり、それがニコンだと

気付いたとたん、大きな声で「ニコンイズナンバーワン!」

「どこで買ったの?いくら?」と興奮しはじめた。

ほかの露天商のおじさんも集まってきて、私のニコンを褒めちぎり、

いくらで売るんだ?と迫った。

私の首にぶら下がっていたのは、私がいちばん最初に持ったカメラ、

ニコンFM2だった。大学生一年生のときに学校で勧められて買った

初心者向けのカメラである。

すべてマニュアルで、シンプルで頑丈。悪く言えば、

「重くて、不便で、まじめすぎる」カメラでもあったが

私は最初に覚えたこのカメラが好きだった。

(というより、それしか知らなかった)

 

そうこうしていると、おじさんはガラクタの山の中から、

めずらしい色をしたカメラをとりだして私の手にそのカメラ

を持たせた。

そして「このカメラは東ドイツ製の、戦場カメラであるからして、

落としてもなかなか壊れない。まるでベンツのように頑丈なカメラ

なんだ。ここまで無傷で美しいなんて、これはラッキー品なんだよ。

ほれ、皮のカバーも付けてあげる。」

そして最後に「アンタが持っているそのニコンと交換してあげる」

と言った。いつの間にかおじさんの目がギラギラしていた。

それまであんなにやる気がなかったのに。。。

 

確かに、旅の途中こんな重いカメラ捨ててしまえたら

どんなに楽だろうと何度思ったか分からないが、それでもこの

FM2は、私が持っているたった一台のまともなカメラである。

ここで簡単に交換していいだろうか。いくらなんでも、、、

と思った。

しかもさっきあれだけ褒められたので、私は一気にニコンのことが

好きになっていた。

 

交換はできないというと、

おじさんは、「30万フォリントで買え」という。

買うつもりもなかったが、とりあえず「高い!」と驚くと、

「じゃあ20万フォリント」「いやいや〜」

「じゃあ10万フォリント!!」「いや〜」

というやり取りが続いていくうち、みるみるまに「2万フォリント」

まで下げてきた。

 

「30万から2万。。。。」

 

ここで、注意していただきたいのは、私が積極的に値切ったのではない

と言うことだ。

おじさんも後に引けなくなったのだろう。

私はここまで楽しいやり取りをしておいて、買わずに去るのは、

野暮のような気がした。

 

当時ハンガリーの通貨はひどいインフレでやたらゼロが多い上に、

毎日のようにフォリント(ハンガリーの通貨)の価値が変化していた。

日本円でいくらなのか計算もできなかったが、当時の食事の値段と

比較して考えたら、たぶん昼食3回分くらいだっただろうか。

当時フィルムを買うのもケチるくらいの貧乏旅をしていた私が、

出せる金額だったのだ。

感覚としては、30万円相当のカメラを800円くらいで買ったような

気分である。

 

 

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このカメラは、おもちゃのように見えるが、おもちゃではない!

シャッターの引き上げが、レンズの部分なので、巻き上げレバーはない!

露出計はついていない!

レンジファインダーというよくわからないファインダーである!

しかし、レンズはカールツアイスである!

(いくらカメラを知らない私でもカールツアイスは知っていた。)

名もないカメラかと思っていたら、ちゃんとWerra(ヴェラ)と

いう名前もあった。昔の妖怪人間とおなじ名前。。。

そして、なんだか色も形もエキゾチック。

 

実際このカメラは、私にとって800円以上の価値があった。

旅をすることに精いっぱいで、写真を撮ることを忘れることも多か

った私が、このカメラを使って「ためしに」とか「とりあえず」と

いう気持ちで気楽に写真を撮りはじめることができたからである。

カメラが変わると、気分も変わる。

いままで、視線を向けなかったようなものにも視線が向くようになった。

 

 

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しかし、このヨーロッパの旅から日本に帰国して2、3年経った

ころ、そのカメラの調子が悪くなった。

というか、むしろよすぎるようになった。

このような、すばらしく不吉感の漂う写真が撮れるようになって

しまったのである!!

 

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私は眠らない45 sleep100 私は眠らない48

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私は幽霊も見たことないし、霊感のようなものはまったくないの

だが、ちょうどおじいちゃんが死んだ時期とも重なって、なんだか

自分が不思議な能力を持ちはじめたのではないか、と本気で怖く

なった。

ぞわぞわしながら次のフィルムを現像してみると、

今度のネガはぜんぶ真っ黒だった。ぜんぜん写ってない!!

これはますますホラーになってきた。

真っ黒では困る!

 

なにがいけないのか分からないが、私はおそるおそるカメラの裏蓋

を開け、シャッター幕に油を塗ってみた。

蛍光灯の下でとろけるように油が反射したカメラのシャッター幕は、

まるで黄金虫のようにつやっぽく輝いていた。

この昆虫のような美しさが多くのカメラオタクを魅了しているのだ

と納得したのだった。

 

カメラはフランス語、ドイツ語ともに、男性名詞であるが、

カメラという機械がとても繊細な内面構造を持っていて、

壊れやすいという意味でも、男性とカメラは似ており、

単純に見えて、意外と複雑、はたまた複雑に見えて、意外に単純、

と知ったのもこのときだった。

 

油を帯びたシャッター幕は、まるで宇宙船の自動ドアのように閉じたり

開いたり、不思議な動きをしていた。

私は子どものようにそれを何度もやっては、ずっと眺めてうっとり

していた。

 

しかし!

このときはうまくいったかのように見えたものの、

2、3日すると、なんと今度はシャッターが落ちなくなって

しまった。いよいよ不吉である。

 

 

私はすぐに半蔵門の日本カメラ博物館にいる井口君の

ところにカメラを持っていった。

彼は私の大学の同級生であり、この博物館の優秀な学芸員である

とともに、正真正銘のカメラ博士(=オタ)である。

 

井口君は、物腰といい、体型といい、人相といい、その存在

自体が人に安心感を与える。

それに井口君はいつも白衣を着ている。

(ようなイメージがあるのだが、気のせいかもしれない)

まるでお医者さんのようだ。

 

聞くところによると、そんな井口君は夜中にカメラや掃除機

時計などを分解するのが大好きで、壊れたカメラのあっちと

こっちをくっつけて修理したりして、よなよな恍惚とする

シュミがあるらしい。

 

井口君は私のカメラを見て、すぐさまその状態を知ったようであった。

井口君いわく、私が塗った油がオリーブオイルだったせいで、

幕の部分がさびて幕が開きっぱなしとなったのではないかという。

井口君は、頭を抱えながら、

「オリーブオイルじゃあダメだよ!なんでせめてサラダ油にしな

かったのぉ!!」と私に言った。(でも、なぜかうれしそうだった)

オリーブオイルのような高級油はそのぶん酸化しやすく、そのため

さびやすいそうである。

私はもう二度とカメラに食用油を使わないと心に誓った。

カメラが動かなくなると、ついやってしまいがちだが、

そもそもシャッターの部分に油をさすのは禁物!!だそうです。

*絶対やってはいけません!自転車ではないのだから。

 

 

井口君はカメラを直してくれるただの親切なオタではない!

そのとき、私がもっとも驚愕したのは、

カメラカバーまで生まれ変わって返ってきたことである!

 

皮のカメラカバーはレンズの部分だけが、歩いているうちに

いつのまにか抜けてどこかに落ちてしまった。

まぬけなカメラカバーではあったが、私は気にもせず

そのままにして使っていたのだけれど、

井口君に壊れたカメラをあずけたら、カメラだけでなく

そのカメラカバーまでが、(頼んでもないのに)

このような姿に修理されて戻ってきた。

 

 

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心のこもったこの手作り感!!

有無を言わせぬ和風テイスト!

ていねいに縫い合わせされた裏地はクッション性のあるビロード!

皮と布のこの絶妙なマッチ!!

 

これを持って歩いていたらまるで私が、カメラ女子とか森ガールに

思われてしまうではないかー!!

井口君が手芸男子でもあることがわかった。

こういう人は、お菓子作りもするんだろうと疑わざるをえない。

 

 

そうして、カメラに無頓着な私は、そんな井口君には何度も

助けられ、感謝しても感謝しきれないのである。

 

しばらくこのフィルムカメラは使っていなかったのだが、

無性に懐かしくなり、ひさしぶりに手に持ってみたくなった

のには、理由がある。

それは先日、近所の田舎臭い喫茶店でふと開いたカメラ特集の

雑誌(カメラマガジンという名前)に、あのカメラ博物館

の井口君を見つけたからである!

 

その懐かしい顔を紙面に見た瞬間、私はアイスコーヒーを

吹きこぼしてしまった。

そして私が吹きこぼしたコーヒーを拭きに来た

ウエイトレスのお姉さんに、

「きゃー!!これ、私の同級生なんですよ。ほら。

私はなんどもこの人に、カメラを直してもらったことが

あるんです!!」と、自慢してしまった。

 

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みなさん、ご覧ください。

「カメラバックを自作しようとしたことも、、」とあるが、

いや、なにを言っているの!!!あんたぜったい作った

ことあるでしょ!!とつっこみたくなったのである。

カメラを愛してやまないこの笑顔!!

カメラと手芸のことならこの人に聞け!!と言いたいのである。

 

☆(ちなみに、あれらの怖い写真については、結局なぜ

あんなふうになったのか原因不明である。

もう一度撮りたいと思っても、もう二度とあのようなホラー

傑作写真は撮れない。(残念〜!))

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2014-09-22 | Posted in BLOGComments Closed 

 

中国新聞

 

 

今年の広島の8月6日は雨。

この日に降る雨は43年ぶりだったそうだ。

それでも今年も多くの人が広島に集まった。

初めて見る雨の8月6日の平和記念式典は、 警備員や合唱団が一同に

同じ白い雨合羽を着ていて、奇妙な光景だった。

まるで白いありんこがお葬式に並んで立っているような。。。

まるで死んだ亡霊がぞろぞろ歩いているような。。。

 

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平和公園ではこの日、人々は歌を歌い、フラダンスを踊り、

灯籠を流し、それぞれのやり方で平和を祈る。

そしてフェスティバルのような一日が終わる。

お祭り化していく命日への賛否両論はあるが、これもまた今の

私たちのヒロシマなのだ。

広島の何を撮れば、今の広島が写るのかと、考え始めた瞬間から、

自分が広島について何も知らないことに気づかされる。

死んだ人の写真を手でなぞってみて、その歴史は心の中にある?

もう手で触れないものを、見て感じること?

来年は被爆70年。

 

 

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そんな今年の8月6日の中国新聞のテレビ番組欄では、隠し文字があること

で話題になった。 縦に読むと、なんと「カープ応援できる平和に感謝」と

読める仕掛けになっていた。

粋なことをする新聞社だなあと、中国新聞のお株があがったのも

間違いないだろう。

 

 

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そこで、私は言いたい!

はっきりいって、私なんてもっともっと前から

(この地味な)中国新聞に注目していたー!!

なんといっても中国新聞の見どころは、

まずテレビ欄の下にある、占いの欄である。

この占いを読むと、いったい占いってなんだろう。。と、

これまで考えたこともないような疑問を持たざるを得ない。

大きな特徴として、

1、主語や目的語は、主に省略されている。

 

8月生→ なんのメンバーだろう。。

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8月生→ なにがエスカレートしやすいんだろう?

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2月生→ なにを入手すればいいんだろう?

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8月生→なんの話だろう?

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特徴その2、敵ということばが頻繁に出てくる。

 

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特徴その3、

抽象的すぎてさっぱり意味が分からないものから、

あまりに具体的すぎて恐ろしくなるようなものまで、振れ幅が大きい。

その上、「意外に」とか「感じ」とか、「かも」の多用。

 

 

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10月生 →「「無意味な談笑」?

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6月生 → 汗をかいて優位に??

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6月生 → 姿を消すことができて??

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1月生 →  どさくさにまぎれて問題が、(「解決」ではなく)終了。

3月生 → 「一気に男女の関係が」、、、

 

と、占いの枠を大胆にはみだしている気がする。

数えてみると、たった21文字の枠であるが、その21文字はあまりに

奔放で、あえて表現するなら、まるで「打ち水」のよう。

つまり、柄杓で水をすくって玄関先に「えいっ、えいっ」と投げているよう

な日本語なのである。

毎日これを書く占い師もさぞやご苦労されているのだろう。

たまに苦し紛れな感じが伝わるのだが、それがかえって

機械ではなく、本物の人間が書いていると感じさせる。

まるで知り合いのおばさんと話しているような親近感。

占い師の人物像や気分がなんとなく手に取るようにわかる。

もはやこれは占いではないと、私は思う。

ここで全部紹介できないのが残念だが、

以下、私のコレクションの一部です。

 

 

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特徴その4、 読者にむけてではなく、ある個人(私か!)に向けてのメッセージのようにも思える

 

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特徴その5、意外に、道徳無視というか。。。

「自分の利益だけ考えた方が」、「下心を持った方がいい」など心強いアドバイス。

 

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この占いを「ばかばかしい」「的外れ」「意味が感じられない」

「まったく当たらない」と怒る人がいてもおかしくないでしょう。

それはごもっともかもしれない。でも私は日本語の奥深さを

考えさせてくれるこの占い欄が、好きだ。

それをきまじめに連載する、度量のある中国新聞が、好きだ。

 

 

では、つぎに 中国新聞の、スポーツ面を見てみよう。

この見出しはいったいどんなおじさんが考えているのだろうか、

と想像してしまう。

カープへの愛で、燃えている見出しの数々。

(粘っコイだなんて、、、♡なかなか高度なダジャレである。)

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この庶民的な感じが、川辺のアパートに暮らす今の私にたまらなく

フィットするのである。

川にむかう机で、コーヒーを飲みながら中国新聞を広げて、

広島って、あなどれないなー、と思うのであった。

コイお粗末3連敗!!(これはシャレにならない‼︎)

 

 

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2014-09-02 | Posted in BLOG1 Comment » 

 

Womb!

 

 

2ヶ月ほど前、Wombという写真雑誌が届いた。

あまりなじみのない単語だけれど、Wombは英語で[子宮]と

いう意味である。子宮というのは、とても女性性を強く感じさせる。

しかも「womb」のこのbは無声音で、ウォンブではなく「ウーム」と

発音する。知らなかったらきちんと発音できない。

写真の雑誌になぜそんな大胆な名前を付けたのだろうと思った。

 

このwombという雑誌は、写真評論家の鳥原学さんが監修されていて、

植田真紗美さん、川崎璃乃さん、田口ひさよさん、布川淳子さんと

いう4人の女性写真家による季刊写真誌で、この4人は写真専門学校

の同級生だそうである。

 

そもそも写真家とは、協調性がなく、誰かと何かを一緒にやるなんて

ことできないはずではなかっただろうか!

私の記憶に、写真家同士で集まって、何かを一緒に作り上げたことが

あっただろうか!(少なくとも私は呼ばれてない!!)

お金がないとか、忙しいとか、難しいとか、自分に協調性がないとか、

そんなことを言い訳にして、私はいったいこれまでどれだけのことを簡単に

あきらめてきたことだろう。

そんなことを思って、尊敬と羨望のまなざしでこの雑誌を見たのであった。

 

 

 

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ところで「Womb」といえば、

私がはじめてWombという単語を知ったのは、ニューヨークのヨガ

教室であった。そのヨガ教室は、一つの教室にきちきちにマットを

敷いて100人くらいが集まるほど人気のある、熱気むんむんのヨガ

クラスだった。

私は教室を間違えたかなと内心思いながらも、静かに自分の筋肉を

見たり、前の人のタトゥに見とれたりして待っていた。

私の隣の男性は、海水浴にでも行くかようなビキニ一枚で、

滝のような汗をかきながら座禅を組み、お釈迦様のように見えた

くらいである。そのうちクラスが始まり先生があいさつをして、

いきなり「Wombは人間が生まれるところです。つまり神秘であり、

すべてのはじまりであり、創造の源なのです。ナマステ〜」と言って、

シャンティがはじまり、そこからひたすら瞑想が始まった。

 

先生は子宮に声をかけたり、子宮を抱くように意識しながら

長く細く呼吸するようにと促した。

子宮について、いや、自分の臓器について、どこにどんな形で

何があるのかなど考える機会など、いままであっただろうかと困惑

しながらも、自分の体に思いを寄せた。

これまでの人生で、私が子宮に話しかけたのはもちろんそのときが

初めてである!

ちょっと変わったヨガだなと不安だったが、そのうち私は集中しはじ

めて自分が冴えてくるのがわかった。

 

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その先生は、「精子と卵子が出会う、そのミラクルをイメージしてえ〜」

「女性は子宮に(男性は男性のものに)意識を集中して呼吸ぅ〜」と、

合間合間に、リードした。

そして最後に、子宮で呼吸することは、更年期障害にも不妊治療にも

絶大な効果を発揮する、と力説した。それだけでなく、

「womb、それはアートだ。クリエイトだ!」とも力説していた!

 

そのとき、私はといえば、「これはまさにアメリカだ!」と実感し、

むくむくと自分の中にわき上がる前向きなエネルギーに、陶酔していた。

そのときの感覚は例えようがない。

(ふだん私は決して前向きで元気のいい人間ではないから。)

 

強いていえば、自分という人間がとても特別に思える感じかしら?!

「信じるイコールすばらしい」の世界を体感したのである!!

あのエネルギーの感覚が、ヨガの極意なのかもしれない。

そのクラスは、一回でやめてしまったけど、ぜひまたあのまぼろしの

エネルギーに包まれてみたいと思うことがある。

(。。余談になりました。)

 

 

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さて話を雑誌のwombに戻すと、

あのときのヨガの先生の「womb、それはアートだ。クリエイトだ!」

という言葉を思い出して、この雑誌のネーミングに納得したのである。

この雑誌のメンバーのひとりである布川淳子さんにお会いしたことが

あるのだが、こんな美人が写真をやるのはひきょうだ!と思うほど

清楚で美しい人だった。

それぞれが別の仕事を持ちながら、自分の写真を続けていくことは

並大抵のことではないけれど、同志の仲間がいるってすばらしい。

この4人の女性の共同作業をとてもうらやましいと思うのだった。

 

もうすぐ4号目が発売になるそうだが、

いま発売中のWomb Vol.3 では、田口ひさよさんの特集である。

そして、[月をよむ 光をよむ]のコーナーでは、松濤美術館の学芸員で、

美術評論家の光田ゆりさんが、私のLife Studiesの展評を書いてくださった。

私はその展評を、枕のなかに入れて寝ている。

 

 

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私の日常生活は、とても写真家とはいえないほど、写真とかけ離れた

ところにある。そんな生活の中で、自分の写真はもうだめだと思うこと

が何度もあるが、そんなとき私は枕の中をのぞいては、勇気をふりしぼって

自分に写真を引き戻す。

私が写真家でいられるのは、私に写真家としての意識を持たせてくれる人

がいるからだと思う。

 

Wombをよなよな眺め、フレッシュなエネルギーを目の当たりに

しながら、私はどんな写真家になりたいのだろう。。。と繰り返し

考える。繰り返す私もまた、フレッシュだ。

 

 

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ところで、

みなさんは枕の中にどんなものを入れていますか?

私の母は、ちょうどいい固さの枕が見つからないといって、

台所にあった砂糖の袋をふたつ重ねて枕にしています。

ベッドの上に砂糖の袋があるのは、なんだかこわい感じがするのは、

私だけでしょうか。

(また余談になりました。。)

 

 

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今日何が言いたかったかというと、、、、

いい写真と、いい文章、意気のある写真の雑誌「Womb」を

ぜひ購読してみてください!(光田ゆりさんの展評も!!)

vol.4は、8月20日発売だそうです!

ウームウーム!

 

 

 

 

 

 

2014-07-28 | Posted in BLOG2 Comments » 

 

お子さんは?

 

たしか去年だったか、少子化やら晩婚化やら高齢出産やらを軽減

するための施策として、「女性手帳」が話題にあがったとき、

「大きなお世話だ!むしろ男性手帳をつくるべきだ!!」と、

私がテレビに向かって何気にヤジをとばしたことがきっかけで、

父と大論争になったことがあった。

 

父だって、女性手帳が交付されれば、娘の結婚も促進されるなどと

は思っていないはずであるが、「晩婚化問題」から、「女性手帳」

「男性手帳」、さらには「人間手帳」にまで話がおよび、

けんけんがくがくやるうち、ついに父は、私にむかって

恐るべきヤジをとばしたのである!

 

それは最近、都議会で晩婚晩産問題について発言している女性議員

にむかって、男性議員が投げたのとまったく同じヤジであった。

なので、この事件をニュースで見たときには、私にはもう免疫が

できていて、「ばかじゃのう〜」と、薄ら笑うほどの余裕があった。

たしかにその男性議員は、父と同じくらい品がない。

(が、父は他人に言わないだけまだましだと思いたい。)

 

 

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しかし、私はこのニュースが大事件となって連日流れていることに驚く。

声紋までとって犯人探しが行われようとしていることにも、甚だ驚く。

 

確かに野次は軽率で侮辱的かもしれないが、マスコミがそんなに騒いで、

ことを大きくすることこそが、デリカシーがないし、オツでない

ことも知るべきだ。

「もういいから、自分の仕事しなさい!」と、興ざめている独身女性は

多いことだろう。犯人探しに注ぐ時間と労力があるなら、もっと大事な案件

に使うべきだ。

結婚はするべきだという考え、さらに結婚しない女性をかわいそうだと

思うその心がいったいどれだけ傲慢か知ってもらいたい。

政治家にもマスコミにも、ヒューマニティと正しいユーモアが必要だ。

 

最近のニュースを見ながら、国民がよろこぶ政治とは、

なんだろうかと、私なりに考える。

これだけ国民が拳をあげてデモをしたり、反対を示しても、

国民の意見が反映されず、閣議決定で通ってしまうのは、

なぜだろう。不毛だ。

 

 

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昔、ひとり旅の途中、エストニアからフィンランドへ渡る船の中で出会った

おじさんに、私はご飯をごちそうになった上、いきなりその見知らぬ

おじさんの家に寝泊まりさせてもらうことになった。

その夜、おじさんはお酒を飲みながら政治の話をしはじめた。

その時のエピソードで印象的だったのが、フィンランドでは今でも

森には妖精がいると信じている人が多く、フィンランドの政治も、

森の妖精をぬきに行政ができないという話だった。

あるとき議会で、ある地方の森林を伐採して新しい町を作るという審議

があったときに、議員達はまじめに森の妖精(ピッコロさん??だったか

トロールさん??だったか、という名前の)を引き合いに出し、

やはりピッコロさん(??かトロールさん)の逆鱗に触れると怖いから、

森林を伐採するのをやめようという決議になったことがあり、

国民もそれに大喜びし大賛成だったという。

おじさんは、ばかばかしいだろう?と笑っていたけれど、私はその話を

聞いて、なんだか幸せな気分になったのを覚えている。

 

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おじさんは、「ところで、日本ではビール一本いくら?」と身を乗り

出して聞いてきたかと思うと、「フィンランドの暮らしにくいところ

は、酒がすごく高いことだ」と、さんざん嘆いていた。

でも酒が高いおかげで自分がまだアル中になっていないことも

確かだとも言っていた。

そうやってうなだれるおじさんを見て、もしやこの人が

ピッコロさんなのでは、、、そうだとしてもおかしくないと思って

しまったほど、時空のずれた夜だった。

 

 

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最近タイムリーに私の目に飛び込み、胸を突き刺してきた言葉を

ここに書き留めておきたい。

一つは、老子である。

“Respond intelligently even to unintelligent treatment”  -Lao Tzu-

ーインテリジェントでない施しにさえも、

         インテリジェントに応えなさい。ー  (老子)

 

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もう一つは、うちの近所のお寺の前に張り出された2枚の教句である。

  「お子さんは?一人息子が四人です」

  「習ったことはないけれど、

       「怒る」「嫉妬」「欲張る」はとても上手なこの私」

 

 

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暗い夜道で見かけたこの言葉に、深く納得し反省するも、

「お子さんは?一人息子が四人です」の解釈が、あやうい。

ちょっと怖い、なぞなぞのようにも思える。

しかしきっとここに深い教えが隠れているに違いない。

この意味が、分かる人には分かるんでしょうか?

真意を知って、ほっとしたい私である。

 

 

 

 

 

 

 

2014-07-14 | Posted in BLOG2 Comments » 

 

燃えろ!赤ヘル!

 

私が父とまだ心が通っていたころの話である。

父は幼い私をよくドライブに連れて行ってくれた。潮干狩りとか、山登りと

か、従兄弟のうちとか、おばあちゃんのうちとか、(そういったお金を使わ

なくてもよさそうなところ)へ。

オンボロ車の助手席に幼い私を乗せ、パカパカと煙草を吸いながら、

父は夕暮れの帰り道のラジオから流れる野球中継に熱狂していた

ものだった。

カープが打たれたら、「このばかー!!なにをしょうるんな〜!!」

と罵声をあびせ、カープが打ったら「よっしゃー!!やったでー!!」

と体をうならせてよろこんだ。

 

「あーこちゃん(=私のこと)が男じゃったら、カープの選手にしたのに

のう」となんども言っていた。

カープが勝ったときは「あーこちゃん、きょうはお祝いじゃけ、唐揚げ

でも食おうか!!」と気前のいいことを言い、レストランに連れて行ってく

れるのかのかと思ったら、スーパーに寄り道してお惣菜コーナーで買った

唐揚げを、車の中で二人ほおばったこともある。

まずしいけれど仲良しだった父と娘のしあわせな時間とは、あのときの

ことをいうのだろう。

 

そういうわけで子ども心にも、カープが勝つと父が喜ぶ、父が喜ぶと私も

うれしいと知っていたし、父がカープが好きだからというだけで、あたり

まえのようにカープファンとなり、それを疑うことなくここまできてしま

ったのである。

 

 

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私が銀座でカープのマスコットガールに(勝手に)なった日

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毎日持ち歩くティシュ

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めいっこへのファーストプレゼント

 

どんなに弱小と言われてもいつも切実にカープの味方であり、持ち歩く

エコバックは無意識にもカープ特製の赤いエコバックしか持たない律儀

な私であるが、最近、私はカープがセリーグかパリーグかさえ知らない

ことに気づいた。

そして自分はほんとうに赤ヘルファンなのか、自問することになった。

 

しかし、父の刷り込みだと気づいたときには、もう遅かった。

子どものころしみついたものは、もはや深く濃いすぎた。

あのときラジオから流れていた「それ行けカープ」を聴くと、笑いがとまら

なくなり、全身に熱い血が巡り、大声で歌いたくなる衝動を押さえられない

自分がいるのだった。。。

野球を知らなくても、やはり私は赤ヘルが好きなんだ、と再認識したの

である。

私の血潮ともいえる「それ行けカープ」の歌を、少し紹介してみよう。

 

「空を泳げと天もまた胸を開く」…… (鯉だから空を泳ぐんだなー。)

「今日のこの時を確かに戦い」…… (負けても「確かに」戦うんだな〜)

「勝ちにいくのが選ばれた者の運命」……(選ばれたいな—)

「その意気愛して見守るわれらの」……(男気があるなー)

「あしたへ続くきりのない夢であれ」…(まさに、夢だよなー)

 

と、考えるところがもりだくさんの歌なのである。

これを聴いたらみんながカープファンになるんじゃないかと

いう恐れさえある、すばらしい歌なのである。

ぜひ聴いてみて〜!

http://www.uta-net.com/movie/7271/

 

 

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そんな私が、先日生まれてはじめて、球場へ行き野球観戦をした。

言わずと知れた「広島ズームズーム球場」(!!!)である。

しかもロイヤル席をもらったのである〜!

盛り上がったのは言うまでもない。

「はじめての球場」、「はじめての応援」、そして「カープ対横浜」

わたしはあまりにも興奮しすぎて、

カメラの露出をあわせるのを忘れて、ほらごらんください。このとおり。

せっかく勝ち試合に立ち会ったと言うのに、記念の写真がこれとは…….

自分を疑いたくなった。

 

 

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その日そんな赤ヘルロイヤル席のどまんなかで、ひとり黄色いユニホーム

を着て堂々と座っているおじさんがいた。

勇気がある。ありすぎる!

ぎゃくに好きになったくらいである。

その方は、そのユニフォームに似合わず品があり、まわりに気を使っ

て自分のおつまみを配ったり、しまいには私にもさきいかのパックを

まるごとくださった。こんなあからさまな敵から、さきいかをもらって

もよかったのだろうか。

いろんな人がいるんだなと、球場で野球を見る醍醐味というのを味わっ

た気がした。

 

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その日私を球場に連れて行ってくれたユーリ先輩は、

私がなにか質問をするたびに「亜弥さん!!ほんとに何も知らないんです

か??。。。野球って言うのは三つアウトを取ったら交代なんです!!

だからいま交代したんですよ!!」「野球には攻めと守りって言う言葉が

あって、カープの選手がバットを持っているときは「攻め」、ちらばってい

るときは「守り」って言うんです!うんぬんかんぬん、、」

といろいろなルールを教えてくれた。

ものすごいカープファンだと思って連れて来たら、野球を何も知らなかった

というわけで、さすがのユーリ先輩もしまいにはいいかげんにしろっと

いいたげな顔だった。

 

そんなユーリ先輩が熱く説明をしてくれているうらで、私が何を思っていた

かというと、ウグイス嬢への嫉妬であった。

私は広島球場のウグイス嬢になりたかった。(今でもなりたい。)

 

 

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ユーリ先輩はユニフォームからタオルから応援棒(音を出すもの)から、

完ぺきに揃えていて、選手の名前もぜんぶ知っていた。

そして「ここにきたら絶対これ!」といって、「カープうどん」という

ものまでごちそうしてくれた。

なかなかおいしかった。

 

そんな献身的なユーリ先輩を見ながら、こういうところはまさに彼氏と来る

べきにふさわしいところではないか、と思った。

情熱の赤い球場の空に、ユーリ先輩と私に幸あれと願ったのである。

今年こそカープが優勝するよう、私がんばります!!

 

 

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応援のグッズ持参

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うわさのカープうどん
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                      また勝ちました!!

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暴走族風の刺繍をいれていると思ったらお経を刺繍していた人(なぜに〜!)

 

 

 

 

 

 

 

2014-05-23 | Posted in BLOG2 Comments » 

 

Life Studies

 

また突然のお知らせです。

昨晩するべきでしたが、設営が終わって焼き肉を食べたら

もう胃もたれがすごくて、、今朝になりました。

来る2014年2月12日水曜日(なんと明日!!というか今日!)

から銀座のニコンサロンで写真展が始まります。

いつもこんな急なお知らせでごめんなさい!!

今回はニューヨークのシリーズです。

言葉にできないものがいっぱいつまった「Life Studies」です。

ぜひ見に来てください。

オープニングパーティは6時半から。

ホットワインでお待ちしています〜!

 

藤岡亜弥写真展「Life Studies」

Aya Fujioka Exhibition “Life Studies”

銀座 Nikon Salon
2014/2/12(wed)-2/25(tue)
10:30-18:30(last day-15:00)
Opening Party :2014/2/12(wed) 18:30-

 

 

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「Life Studies」

 

2007年秋、文化庁の留学生として1年間の予定で、私はニューヨークを選んだ。予想もしなかったことだが、それから4年間もニューヨークで生活をすることになった。

これまでにない開放感と高揚感が自分にあったこと、エキサイティングな出会いやこの街の不思議なエネルギーは語るに語り尽くせない。しかし、美しくうそをついてしまいたくなるほど隠しておきたいことも多い。逆風は、まず最初のアパート探しからはじまり、その後も気が遠くなるような失敗や事件や失望があった。

虚言癖のあるボーイフレンド、自称「女優」で浮き沈みの激しいガールフレンド、マリファナ中毒の隣人、ルーズでナルシストなルームメイト。うらやましいほど自分勝手な人たちばかりを相手に、私はいつも腹を立てていた。私も含めみんなが病的で、まじめに滑稽だった。

ルームメイトともよくケンカした。たとえば、「Here is New York! Go home or Go to New Jersey if you don’t want to be selfish!」(ここはニューヨークよ!わがままがイヤなら、家に帰るかニュージャージー(*隣の州)に行け!)というありがたい言葉は、勝手に人の部屋に入って私の洋服を借りるルームメイトが言い放った一言である。まるで格言のようだった。こんな理不尽にも出くわさず楽しくニューヨークに暮らす人はいっぱいいるだろうに、なぜ私がこのようなクセ者ばかりを引き寄せるのか自分が情けなかった。

そんな日常が本編なら、この物語の本編をおもしろがる余裕など私にはなかった。いつもそこから逃げ出し外に向かって歩こうとする自分がいた。私が目をそらした先、物欲しそうに見つめたもの、それがここにある私のニューヨークなのかもしれない。

強烈な都市の魔力にわなないたり救われたりしながら、私は何度小さな自分を見つめたことだろう。

ニューヨークを想うと今でも心が震えるのは、それが私にとって鈍く光りつづける時間だからだ。

それは私に与えられたかけがえのない「Life Studies」だった。

 

藤岡亜弥

 

 

 

 

 

2014-02-12 | Posted in BLOG1 Comment » 

 

広島県人

 

遠方からの便りというのはうれしいものである。

それは時間の流れを感じたり自分の歴史を感じたりする

特別なひとときである。

最近私が長い間会っていない大切な友人から

ふいにもらった2通のメールを紹介したい。

 

 「藤岡さん、

お掛け様で、元気です。

 藤岡さんはまたニューヨークから帰って来ました、良いですね。

私は仕事がまあまです、私は結婚しました、子供もありました。

日本に来る予定がない、ありましたら、ぜひ藤岡さんに連絡します。

私はいつも貴方を思い出します、最近何か変更しますか?

今日は2月14日バリンタインアですが、好きのboyがありましたら、

彼に愛意を表示してがんっばて下さい。

このメールが見ましたら、返事をお願いします。よろしくお願いします。

胡旭潔」

 

私が昔勤めていた会社の中国人の同僚の胡さんからである。

何年も連絡を取らずとも変わらない友情を感じるうれしいメールである。

仕事も人柄もまじめな人だった。メールもまじめだ。

「好きのboyがありましたら、彼に愛意を表示して。。。」

という、胡さんのくったくのない言葉にも感動を覚える。

そんなこと簡単にできたらだれも苦労はしていないのだが、

誰かに愛意を表示することは、もしかしたら考えるよりもずっとシン

プルなことなのかもしれない、といろいろ考えさせられた

まっすぐでいいメールだった。バレンタリンア。アーメン。

最近、今どこ?というメールをよくもらうのだが、

去年の年末には小学校のときからの友人から突然こんな不穏なメール

が届いた。

「あやちゃん、今どこにいますか?あやちゃんにこのメールは届いて

ますか?あやちゃんのお父さんがブログであやちゃんを探していま

す。このメールを読んだらすぐに返事をしてください。」

私は何ごとがあったのかわからず、ぎょっとしてすぐに父のブログを

探した。私が長いあいだ読んでいなかった父のブログをここに添付

してみよう。

 

「あや、どうしてますか。パパのブログに返事をくれますか。

スカープウがだめになったのでんメールをブログに書いてください。

いつごろ日本に帰るのか今何をいるのか。最近のことを知らせてく

ださい。パパとママは5月4日から6日にてアルペンルートに行

きました。ままー良かった。。天候も余り良く仲ってけど。

パパより」

 

 

父はニューヨークにいる私にあててメッセージをブログに書いている

のだが、父はこの時点(2012年5月)でブログに飽きたようだ。

その後ほったらかしである。

これを見た人は、親に連絡も入れずお前はなにをやっているんだ!

親不孝者!とあきれていることだろう。誤解だ。

ふうちゃん!そしてみなさーん!

私、生きております〜!実家にも連絡を入れております〜!

ご心配をおかけしました。

 

(毎回のことながら)

近況をお知らせする場であるこのブログも1年半もさぼった。。。

さぼればさぼるほど、もう見たくない。という心境を

どう乗り越えて、また書き始めるのか。

(それを察してほしい。)

私は去年ニューヨークから帰国し現在広島在住である。

20年ぶりの広島である。

広島には7つの川が流れていて、私はその7番目の川が見えるアパートに

住んでいる。

川の近くに住むということと、アパートから川が見えるというのは

似ていて非なり。窓から川が見える生活というのはすばらしい。

 

広島出身とはいえ20年も留守にしていたので、まるで外国人のような

気分になるときもある。驚きや新しい発見も多い。

ふるさと新発見のひとつは、広島人は真面目な顔をして意外に

だじゃれ好きな人種ではないかということである。

例えば、呉線に乗っていると、これである。

 

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「酔って迷惑カキないで」、、、、特産が牡蠣だとはいえ、

いくらなんでも無理があるのではないか。大胆だ。

駅のアイスクリーム屋には、こんな名前の焼き栗入りのアイスを売る店。

「愛ス栗〜夢」でなかっただけよしとする。

 

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つぎに、「むさし」という広島にある有名なおむすび屋のオリジナル商品である

紫蘇茶のネーミングがなんと、「おいシソー」。売れ行きが心配である。

 

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また、ひろしま生協のカタログを見ていると、ためいきがでるほどの

一級のだじゃれが次々とでてくる。

広島カープの応援商品には、カープの鯉にかけて作った柏餅。

そのコピーが、「勝ちよコイ!」そして餅の名は「コイコイ勝餅」

 

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冷凍スルメイカのキャッチフレーズは、

「この鮮度、産地で食べているみたいじゃあなイカ!」

 

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作っている人もさぞかし楽しいだろう。もう一つ言わせてもらえれば、

広島の観光キャンペーンのキャチフレーズをご存知だろうか、

「おしい!広島県」という残念なコピーで、私は見るたびにイラッとしている。

 

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これをよしと思う広島人はいるだろうか、と憤慨していたら、

ある日、「おしん」という映画のプロモーションでこの「おしい!広島県」

をパロってこのような映画のポスターが、、、、、!!!

 

写真

 

やるじゃあないか!広島県!

はじめて「おしい!広島」というキャッチが生きた仕事だと

私はうなった。

このポスターを制作した方のセンスの良さ、そしてそれを許した

広島観光協会に熱い拍手を送りたい。

そしてこんなダジャレの多い楽しい広島にぜひ遊びにきてほしい!

こんな電車も走ってるよ〜!待ってまーす!

 

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2014-02-12 | Posted in BLOGNo Comments » 

 

AKB

 

わたしは高校時代ラジオを聞くのが大好きで、いわゆるオタクであった。

学校から帰るとまっすぐラジオの前に行く。

おやつをむさぼりながら晩ご飯まで聞く。

ご飯が終わるとまたいそいそと部屋に閉じこもって宿題をするふりをしなが

ら、ラジオを聞く。そんなのが日課だった。

音楽に酔いしれ、聞こえてくる声に憧れて、ラジオのむこうの世界を想像し、

せっせとハガキを投稿したりなんかして、ひとりニタニタ笑っていた。

そしてそれがそのうち将来はラジオのDJ、もしくはMC、もしくは広島球場

のウグイス嬢になりたいと真剣に考えるようになった。

早くこんな田舎を出て標準語を勉強したい!

 

 

そんな夢を見る小鳥は、日本大学芸術学部放送学科を受験。

しかし、まさかの落選!!!

途方に暮れる間もなく、やけくそになって写真学科を受けたら、

まぐれで受かってしまったので、写真をやるつもりもないのに写真学科に入る

ことになった。写真学科に通いながらアナウンサーになれるつもりでいたの

だから、世間を知らない若者というのは、ほんとに恐ろしい。

そういうわけなので、大学に入ってからも気持ちが写真に向かず授業に

出てもどうしていいかわからない。なにもできない。つまり、興味がない。

クラスに出てもいつも上の空だった。

 

 

そんなある日、ゼミでいまトーマスさんの写真展をやっているから見に行って

感想文と書けという課題が出された。

その写真家は「トーマスション、ナントカ」という写真家で、大きな展覧会が

新宿のコニカでやっているとのことだった。

ちなみに新宿コニカがアルタの横にあったころである。

同級生だった岡本真菜子は、自分は写真展を見たあと、アルタの近くの

シェイキーズというおしゃれなピザ食べ放題の店で課題をやるつもりだ

という。

 

写真には興味なくとも、有名な外人写真家の写真展を見に行きアルタに

行って(そこでは芸能人に会うかもしれない)、シェイキーズでピザを

食べながら課題をやるなんてことは、田舎から出て来た者にとって、

それはなによりも東京に来た甲斐があるというものだった。

 

しかし岡本さんと私が、新宿のコニカプラザに行った時、もうすでに

トーマスさんの写真展は終わっていて、東松照明というコテコテの日本人

の写真展をやっていた。

「トーマスさんおわっとるよー。。。しかたがないね」と言いはなち、

これで課題はなくなったとばかりにピザの食べ放題へ直行、死ぬほど食べて

江古田の下宿へ帰ったのだった。

 

 

 

 

しばらく経って、東松照明がずいぶん有名な写真家であることを知り、

さらにそれが「ひがしまつてるあき」ではなく、「トウマツショウメイ」と

読むのだと知った時は衝撃だった。

 

東松さんとトーマスさんを聞き間違えたのは

けっしてわたしと岡本さんだけではないだろう。

ピザ屋での裸踊りが、よみがえった。

 

かくして東松照明という名前は、わたしが写真学科で最初に覚えた言葉と

して深くこころに刻まれた。と同時に、岡本真菜子とも勘違い頻発同盟と

いう深い絆で結ばれた。

 

2013年1月、東松照明の訃報を新聞で読み

ご縁もなく一度もお会いすることはなかったが、

どんな方だったのだろうと思いを馳せる。

初めて触れた写真の音。

それはずっと遠くで輝いてわたしの憧れだった。

 

ラジオのアナウンサー志望の私が写真学科を中退するきっかけを失ったのは、

この東松照明という星と、岡本真菜子というライバルのおかげである。

ありがとう。しかし

ここまできて、最後にどうしても言いたいことは、

わたしはまだラジオアナウンサーの夢を

あきらめていないということである。もうペンネームだって考えてある!

 

 

テレビのコマーシャルではAKBのかわいい女の子が、夢は口に出さないと

実現しないと豪語している。若いのにしっかりしすぎだ。

 

 

 

2013-02-04 | Posted in BLOG10 Comments »